第1回:聖光の受験について
ビートルズを意識したという襟なしブレザー、雑巾をイメージした灰色のネクタイ、履き慣れない革靴、背負っているのか背負われているかわからないような大きなリュック。もちろん、根岸線は10両目。
通称、山手のペンギン、聖光生です。
今でも電車などで見かけると、なんとなく微笑ましくなってしまいます。
もちろん、当時の私自身はTHE聖光生でした。
定番装備の眼鏡も含めて(笑)
私は、2月2日の栄光に落ち、4日で受かったタイプの聖光生です。
あの4日の受験会場。
これが、私の医師へのスタート地点と言っても過言ではないと考えています。
周りは1日に麻布や開成に落ち、2日に栄光に落ち、3日の浅野はいまひとつといった受験生が多く、まさにこの世の終わりといった雰囲気でした。
私は2日の栄光と4日の聖光のみ受験といったレアなパターンではありました。
この会場のネガティブな空気に飲まれたら負けだと子供心ながらに思いました。
これは、むしろチャンスと思い、奮起した結果が今に繋がっていると考えます。
今、振り返っても栄光に受かっていたら、栄光で振るわずに医師になっていないと思います。
鶏口牛後みたいな感じですかね。
人生での初めての挫折からの聖光生活。
この敷かれたレールに乗った時点で、ここまでの人生は決まっていたのかなと考えています。